商品名や広告表現、法律遵守の再確認

Regulation written on multiple road sign

マッサージ
薬機法で定義される医療機器でないと使えない。 本屋で販売されるMOOK本や付録、通販などで紹介される健康器具名で使われているケースが散見される。 普通に使われる言葉だが、気軽には使えない。 ちなみにマッサージャーも同様。

カシミヤマフラー
カシミヤは30%。 残りはウール70%の商品名が“カシミヤマフラー”。 確かにカシミヤは使われているが、正しくは「ウールマフラー(カシミヤ入り)」では? 「カシミヤマフラー」と称されると100%カシミヤ?少なくとも80%ぐらいはカシミヤ?と思うものでは。 これでは消費者を誤解・誤認に誘導していると評価される可能性がある。

レザー風キッチンマット
銀座の百貨店でレザー風キッチンマットなるものが売っていて、本革ではなくレザー“風”とあるので、つまり合成皮革品。 「この合成皮革は、ポリウレタンですが、塩化ビニルですか?」といやらしい質問をしたら、「レザーだから革です。 」との販売員さんからの回答。 こういう言語・会話でのコミュニケーションもウソはウソ。

Fahrenheit表示 (華氏温度) の温度計
散髪屋の窓ガラスに、吸盤付きの温度計が張り付いていた。 ヤモリか何かの形状していて、足が吸盤。 温度計がはめ込まれている。 表示は℃ (摂氏温度)と℉ (Fahrenheit)の両方。 日本で買ったのか海外で買ってきたのかわからないが、なんと、日本で販売する温度計で℉表示があると(℃表示もあっても)法的にNG。 海外からの方もたくさん? 住んでいるのに???

商品(製品)名やそのパッケージ、店頭でのPOPや各種広告媒体でのコミュニケーションワード・写真・絵などで、記載すべきこと・記載してはいけないことが、概念として、ならびに具体的な要求事項として各種法律で決まっている。

例えば、景品表示法や家庭用品品質表示法など。 洋服であれば洗濯の絵表示や材質(混用率)など。 ランチボックスなどのキッチン周りの合成樹脂加工品であれば材質名や耐熱温度など。 商品の効果については検証されていないデータの記載はウソの可能性もあるのでNG。 例えば、UVカット100%! とか、殺菌効果! とか、防ダニ効果! とか。 (その他、計量法や薬機法、電気用品安全法、食品衛生法、JAS法など、様々な法律要求がある。 もちろん商標などの知的財産の問題もからむがここでは言及しない。)

消費者が商品を購入するかどうかを選択する際に、適切な情報が商品や広告物を通して提供され、もちろんウソはつかず、誤認を引き起こさず、正しい判断ができるように情報を提供させることが狙い。 この範囲内で商品はアピールされる必要がある。

競合差別性を実現するのが困難な、モノ・サービスが溢れている現代。 ヒット商品を企画・製造するのは困難。 “実質品質”か“認知品質”かどうかは別にして、とにかく“差別性”を作り出し・強調し、なるべく消費者の目につき、手にとってもらい/クリックしてもらい、ぜひ選択してもらいところ。

法律は理解しながら、その範囲内でのアピールのつもりだが、行き過ぎと指導される場合がある。 ある一定の条件・環境で試験された製品の機能が、実際の消費者の利用シーンでも常に完全に再現できるかのような広告がある。 屋内での試験が、屋外での利用でも効果があるとか、20℃環境での試験結果が夏場の35℃でも同じ効果があるとか。

あるいは、逆に法律に則ると効果効能を何も言えないため、よく吟味すると何も品質や効果を謳っていない広告表現もある。 例えば、薬機法での医薬品などに該当せず効果効能を謳えないシャンプーだとすると、髪がはえるなんて表現できず、マッサージという言葉も使えず、「何かいいことあるかも」的なことをうまく表現し、将来を期待させるワードになっていたりする。

TV通販番組でのエクササイズ機器や消費者金融のTVCFなども、法的規制に則った表現が記載される。 個人の意見ですよ、とか、指導的な言葉や注意事項が表示される。 読めるかと言えば読めるが、時間的についていけないことも。 大金払って代理店を通じて媒体を買い、TVCFを制作しているのに(タレントも使ったりしながら…)、“但し書き”をメインにするなんてことはありえない。 いかに、消費者の心をくすぐり、認知させ、欲しいと思わせ、記憶させ、必要なときに再想起させるか。 法律という規制の中での努力。

表示や取扱説明書、パッケージ、POPや各種広告の表現、商品(製品)名、写真・絵、カタログ、営業ツール…。 ダブルチェックしたり(作成者以外が目を通す)、専門家の目を通すことが重要。 競合品・過去品と比較する、作成段階でのミスを蓄積・共有・ラーニングすることも重要。

そうでもしないと、法律を把握し各種表現に注意しているつもりでも、うっかりミスが起きえる。

家庭用品品質表示法の指定用語の「ポリエステル」と製品に刻印したつもりが「ポリエステー」になっていた。 どうすべきか。 3重のランチボックスに法律に則って必要情報を刻印したが、一番下の段だけに刻印、上段と中段には刻印していなかった。 どうすべきか。 同一商品だが原産国が混ざっている場合、「原産国: オーストラリアあるいは中国」なんて書き方でよいのか。 人間用の体温で発熱する製品をペットに使って同じ効果をうたってよいのか。

悩ましい表現問題はつきないもの。 景品表示法では組織のあり方(表現のチェック、管理、周知・ラーニング、担当組織の明確化)も要求されている。 ひとつひとつ丁寧に解決していくのはもちろんだが、組織的な取り組みができていないと同法違反になる。

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