検査スピード。 1にスピード、2にスピード、3、4もスピード、5もスピード

世の中では、食品や生活用品に対する安心・安全への要望が高まっています。 悪意ある人為的な可能性もあり、全てが企業の責任とも一概には言えないでしょうが、冷凍食品の餃子やインゲン豆の事件、カップラーメン、菓子、ガスコンロ事件、など多数の事件が発生しています。

現代ほど商品・サービスの衛生的製造・提供プロセスが確立されていなかった昔も安心・安全問題はあったのでしょうが、昨今では、環境問題を筆頭とする企業の社会的責任への要求の高まり、情報伝達方法の革新による企業不祥事の敷衍、消費者保護・弱者保護思想の高まり、などから、安心・安全の確保は企業の最低限必須の提供価値となっています。

一方で、企業は、モノがあふれる現代において、なかなか差別性ある新商品・サービスを上市できず、グローバル競争にもさらされ、低価格・コスト削減プレッシャーに常に直面しています。 生活者は、このような中、一般的に所得の向上を期待できず、年金・国の借金・増税の将来不安もはびこり、“高いものは買わない”・“買えない”状況で、財布のひもは固くなっています。 企業の環境、生活者マインドが相互に影響しあって、低価格・コスト削減のデススパイラル状態です。 結果として、企業は、労働コスト・インフラコストの有利なロケーションで製造せざるを得ない状況です。

しかし、ここに落とし穴があります。 労働コスト・インフラコストの安さのトレードオフが信頼性の確保困難性になり得ます。 つまり、安心・安全が危険にさらされた状況での商品・サービス提供になり得ます。 経営として当然ながら社員・取引先に対し、安心・安全を優先する行動の徹底をコミュニケーションし、浸透させるべきですが、社員や取引先が真に納得・共鳴するまで時間がかかります。 また、人間ですので、意図しない過ちや、時間と共に制度が欠陥をもたらすこと、もあり得ます。

このような環境下、定期的な、抜き打ちの、要求レベルが明確な基準に基づく、調達~製造~販売~販売後プロセスでの商品検査が求められ、且つ、“100%発生させない”マインドではなく、“問題は発生するかもしれないが、その場合どうするか”マインドで、事前に各種対策を準備しておくことが大切です。

検査会社として我々は、上記のような環境下、適切な検査をスピード感持って実施することが重要ですし、仮に発生した場合を想定した対策コンサルテーションが重要と認識しています。 特に、厳しい競争環境に直面するお客さまの商品・サービスのマーケット導入を1日でも早く達成するために、また問題発生後の迅速な原因追究・再発防止のためにも、1にも2にもスピード、スピードある対応が求められていると、肝に銘じております。 昨今では検査ニーズの高まりから、検査期間が長引いている傾向があります。 再度、お客さま視点に立ち、日々、よりスピード感ある検査サービスの提供に向けた効率性追求に努力すべきだと認識しています。

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