誇大広告と法律のディスタンス
広告の言葉、その重さを改めて問う
SNSをスクロールすれば、飲むだけで脂肪が消滅し、塗るだけで十代の肌が蘇る……そんな「現代の錬金術」のような広告が溢れています。 また、有名人がお勧めしているように見えて実は……といった広告もあります。
こうした状況を受け、近年は広告表現をめぐって厳格化の波が押し寄せています。 一つは「景品表示法」 ― 正確には「不当景品類及び不当表示防止法」。 同法は根拠のない性能・効果の優位性を標榜することを許しません。 特に2024年から施行の法改正以降、行政の監視の目は「うっかり」では済まされない鋭さを見せています。 いわゆる「ステルスマーケティング」も規制対象です。 それ以外の法制度では、例えば機能性表示食品制度も2025年に厳格化されています。 また、健康増進をうたう商品については「薬機法」 ― 正確には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」もあります。 同法は、食品や雑貨について医薬品のような効果を謳うことを禁じています。
また、注目すべきは、ペナルティーの大幅な強化です。 以前は「行政処分」で終わっていたようなケースでも、悪質な誇大広告や虚偽表示に対しては、高額な課徴金が課される様になってきています。

これまで「まあ、これくらいなら……」と見過ごされていたグレーな表現が、一気にレッドカードになりかねない。 企業にとって、広告は自社の商品をアピールする強力なツールですが、その刃が自らに向くリスクも高まっているのです。
広告は「事実に基づいた、誠実な情報提供」であってこそ、消費者の信頼を得られます。 魅力的な言葉だけでは、今の厳しい目は欺けません。 商品自体はしっかりした出来栄えの高品質なものなのに広告で過剰に効能を謳い過ぎることで却って信頼を大きく損なう…という残念な事態もあり得ます。 信頼を積み上げるのは時間がかかりますが、崩れるのは一瞬。 自社の「品質」が、言葉通りか、今一度見直す必要があるのかもしれません。
これからの時代、広告の裏付けとなる確かな品質検査やエビデンスの重要性は、ますます増していくことでしょう。