O157
以前、飲食店で病原性大腸菌O157による食中毒が発生、との報道が世間を騒がせていました。 O157は潜伏期間が2~9日ほどと言われ、原因施設・原因食品の特定が困難ではありますが、食中毒に対しての危機感がない飲食店等は、抜本的な改善策が必要になります。
常に厨房・客席、サービス員を清潔に維持する施策はもちろん必須ですが、定期的な検査 (検便・大腸菌検査・店舗衛生検査など)、並びに、仮に食中毒などが発生した場合に備え、情報開示方法 (誰が、何を、どのように、誰に)、想定感染ルートの棚卸し、対策オプション、を事前に整備しておくことが重要となります。
O157は、大腸菌の中でも、O26、O111などとともに“腸管出血性大腸菌”と位置付けられ、無害な大腸菌と区別され、激しい下痢、腹痛、血便、嘔吐、発熱を引き起こし、幼児や高齢者によっては脳に障害を起こしたり、死に至る可能性がある危険な菌です。
感染力も強く、サルモネラ菌などのいわゆる食中毒を引き起こすその他の菌は10万~100万個が体内に入ることで感染しますが、O157は数百個たらずでも感染します。 O157は口から体内に感染したのち、大腸で増殖しますので、食品、飲料、入浴時、タオル類など、口に入るものに少量付いていることで、感染の可能性がある厄介な存在です。
従い、飲食店や家庭でも、殺菌効果が検証されている消毒液での手洗い、検便検査で腸内にO157が存在していないことの確認、各種設備、備品の衛生検査などが日頃から要請される対策であり、万一のリスクを低減させ、損害を軽減できる、あるべき活動と認識されます。